トウモロコシに寄生するアブラムシ類の低密度個体群の空間分布構造
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概要
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無防除のトウモロコシ畑で,その重要害虫であるアブラムシ類の個体数変動と空間分布構造を3年間調査した。1) 毎年ムギクビレアブラムシ,トウモロコシアブラムシ,ムギヒゲナガアブラムシの3種が見られたが,それらの個体群密度は常にきわめて低く,小さなコロニーが部分的に形成されたにすぎない。また,毎年6月下旬には急激な減少を示し,7月上旬にはほとんど0となった。秋季の個体群も高密度に達しないまま,青刈りが行なわれた。ほ場全体としてみても,アブラムシによる実害は全く認められなかった。2) これら3種のアブラムシの分布様式は,有翅虫では区(20株),株,葉といういずれの空間単位でも,ランダムないし一様分布であった。しかし,これら有翅虫に由来する無翅虫(幼虫も含む)は,いずれの空間単位でも著しい集中分布を示した。3) 有翅虫,無翅虫とも特定の部位の葉(やや下位)に集中して寄生する傾向を示した。しかし,3種間の葉位によるすみ分けは認められなかった。4) このような分布様式はアブラムシの低密度個体群の特色で,その意義について考察した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1977-06-25
著者
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