動的言語理論から見た英語の倒置構文 : 一つの試論
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概要
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本小論は,(1)の各文の後半部分に見られるような英語の倒置構文に対し,動的言語理論の立場から一つの分析を試みるものである。このような倒置構文における斜字体で示された形容詞句には,先行する節に対して何らかの比較を述べるという特徴がある。(1) a. His answer was a disgrace; equally regrettable was his departure immediately afterwards. b. Her face was stony and even stonier was the tone of her voice. (Quirk et al. 1985: 1381) 本小論では,このような倒置構文が,ある種の適合性の原理のもと派生的に英文法に導入されるということに焦点を当てて論じる。この適合性の原理とは,情報構造上の不自然さを回避してよりよいコミュニケーションを達成するために,一定の派生的な構文(それ以前の習得段階では存在していないもの)が対応する基本的な構文に基づいて新たに可能となることを保障するものである。このような議論から,(英語の)統語構造は必ずしも自立的であるわけではなく,情報構造に由来する動機づけによって拡張される可能性があることを示唆する。
- 宇都宮大学の論文
- 2000-03-01
著者
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