「狭くて高いゴールは集団技能発展の邪魔?」
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概要
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本稿は,バスケットボールのゲームにおける集団技能発展とルールとの関係について論じた。教材研究では,ボール・ゲームのルール変更について多面的な研究が見られる。しかし施設についてのルール規定と集団技能発展との関係について論じた研究は少ない。バスケットボールの発展史を省みると,集団技能発展は主にディフェンス・システムを構築することからはじまっている。この傾向はワン・ハンド・シュートが考案され,外角からの効果的な攻撃がゲーム様相を変化させる時まで続いた。そこで熟練者と未熟練者のシュート練習時における成功率の増加を調査した。調査対象者は週4日の練習の中で,100本のシュートを同じ位置から試みていた。この調査の結果,未熟練者ではシュート成功率をおよそ55%にまで引き上げるのに,約2月の期間を要していた。この結果が意味することは,限られた単元内で学習者の外角からのシュート成功率を劇的に向上させることは不可能に近いということである。したがって学習者のシュート成功率が低い体育の授業では,高所取り付けの狭いゴールが集団技能発展を阻害してしまうことがわかった。The relevance between rules of facilities and development of group skills in basketball games was studied. Modifications of rules were discussed from many aspects in studies of teaching materials, however, the relevance between the provisions (especially, size of the goal) and the development of group skills was not reported. In the early years of the history of basketball, group skills had tended to develop from constructing defense system. This tendency was changed by innovation of one-hand shot. The shot was useful for a long outside shot and changed the phase of a game. Then we investigated increase of shooting percentages about a trained player and an untrained player. They made 100 one-hand shots from the same point on the floor ( 4 days/week) in their practices. The investigation showed that the shooting percentage reached 55% after two months from starting the practice. This means that most outside shots which were made by learners in a basketball class will not change the phase of defensive game. Narrow and high-placed goal and its regulation of the rule of facilities needs to be reconsidered for developing group skills.
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