小学生の自己概念測定に関する研究 : 自己評価得点にみられる性差
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概要
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本報告はS. Harterが開発したSPPCの日本語版を作成する過程で得られた結果のうち, 自己評価について性差の観点から分析したものである。調査は茨城県の小学3年生から6年生までの2687名を対象に質問紙法で行われた。その結果, (1)36項目中, 3年生15項目, 4年生13項目, 5年生20項目, 6年生21項目に有意な性差があった。(2)行動領域の自己評価は各学年とも男子より女子の方が有意に高かった。(3)運動領域は各学年とも総じて女子より男子の方が高得点であった。(4)身体的外見領域では3, 4年生には性差がなかったが, 5, 6年生では男子の方が有意に高かった。これらの結果は運動領域の如く生物学的差異を無視できないが, しかし, 自己概念にみられる性差の大部分は男児と女児に対する社会的期待のちがいに由来すると推測される。期待の高さが肯定的評価につながる領域と否定的評価になりやすい領域があり, 子どもの自己概念発達に取り組む場合は領域によって支援のあり方を変える必要性が示唆された。
- 茨城県立医療大学の論文
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