<原著論文>小児看護実習における学生の困難感
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概要
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本研究の目的は,小児看護学における臨床実習で,学生が困難と感じたことを明らかにし,今後の小児看護学教育への示唆を得ることであった。2週間の小児看護実習を終了した3年生の学生28名に対して小児看護実習に対する戸惑いや不安について半構成的質問による面接を行った。学生の困難感として【小児看護実習へのイメージのギャップ】【子どもとの体験の少なさへの戸惑い】【関係作りへの不安】というカテゴリーが抽出された。少子化により子どもに接することがないまま成人する学生にとって,現実的な子どもを知るだけで精一杯であり,看護を行うまでに到達するには困難な様子が明らかになった。中でも,成長発達については点での理解でなく時間軸における連続性の理解を深める必要が示唆された。また,対象者との関係作りでは小児看護に限らず,思春期後期から青年期前期に差し掛かる学生たちは人との関係性に対して臆病であり,自ら関係を形成していくという姿勢造りからの教育的な関わりや,人間的な広がりや深みを養う教育が重要である。今後は,実習前後での困難感の変化のプロセスや保育園幼稚園実習での困難感を明らかにしていくことが課題である。
- 順天堂大学の論文
- 2003-03-29
著者
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