幼児の運動量に影響する健康・食生活の要因について
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概要
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子どもの健康状態は,日常の生活習慣や環境の変化によって生活習慣病の若年化出現の傾向が見られるようになってきた。特に幼児期からの日常生活全般の過ごし方は健康状態の維持増進の妨げにもつながり,その予防や改善の方法がさまざまに検討されている。そこで幼児の健康状況,食習慣状況,生活状況等から主成分分析を行い,運動量に影響する要因を検討した。対象は都市近郊の4∿5歳の保育園児で,男女20名である。調査方法は健診(身体状況,血圧,血清脂質等)と保護者に対してアンケートによる生活状況,食習慣状況,遊びの種類等の調査を実施した。運動量についてはカロリーカウンターにより通園日2日間と自宅日2日間の歩数及び運動で消費した消費エネルギーを求めた。その結果,対象幼児の健康状態は肥満度15%以上の幼児が20%,HDL値40mg/dl以下が15%と検査値に異常を示した。HDL値を高めるには歩数と関係が強い事から日常の活動量の見なおしが必要と思われた。食事の問題としては菓子類・飲料と塩分の摂取過剰,野菜類,卵類,油脂類の摂取不足がみられ,生活習慣病予防の上からも幼児期からの間食の摂り方やうす味嗜好の習慣化が大切である。通園日の歩数値約14,000歩に対して自宅日での歩数値は約1/2量と少ないことから,園での生活内容の検討も必要と考える。遊びの種類については消費エネルギーの少ない砂遊びや玩具が多く見られた。幼児の運動量と関係する因子としては食品・栄養素が最も強く影響することが示された。
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