サービングサイズを用いた簡易食物摂取量調査法の開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,生活習慣病の深刻化に伴い,管理栄養士に高度な専門知識や技能が求められるようになった。対象者の食行動の変容を目的とした栄養教育の過程で,栄養状態や食習慣の十分な把握は重要であり,実際に個人または集団レベルでの食物および栄養摂取量評価のために食事調査が行われている。その方法は多種類あるが,我々は個人および集団を対象とし,簡便かつ調査者および被調査者の負担が軽く,より正確な摂取状況を把握する方法としてサービングサイズを用いた簡易食物摂取量調査法を開発するために,20歳代***に見合った簡易記録法(以下,簡易法)I,IIを作成し,段階的調査を行った。簡易法の摂取栄養量の算出のため,食品群別荷重平均成分表(以下,荷重平均成分表)を作成し,24時間秤量法(以下,秤量法)との整合性をはかり,精度を高める検討をした。秤量法と簡易法の一回目の検討の結果,食品群では調味料類を除いて有意な差は認められなかったが,食品摂取量の間に相違がみられた。栄養素では,ナトリウム(以下,Na)を除いて有意な差は認められなかった。両調査法間の相関関係は,全ての食品群で有意な正の相関がみられた。栄養素では,レチノール当量を除いて有意な正の相関が認められた。しかし,簡易法の摂取量と秤量法のそれとの間の近似をはかるために,1日の目標量を訂正し,両調査法の二度目の検討を行った。調査IIの結果,食品群では嗜好飲料類を除いて有意な差は認めらなかった。両調査法による食品摂取量は,目標量に対する充足率80∿120%を示し,近似値が認められた。栄養素では,鉄(以下,Fe),レチノール当量,ビタミンC(以下,VC)を除いて有意な差は認められなかった。両調査法間の相関関係は,嗜好飲料類を除く全ての食品群で有意であった。また,全ての栄養素で有意な正の相関が認められた。
- 和洋女子大学の論文
著者
関連論文
- 小学校教育における学校給食の役割 : 教員の自由回答形式質問調査による分析の試み
- 女子大学生の糖代謝能関連諸健康指標値に及ぼすしそ油摂取と有酸素運動トレーニングの影響
- 栄養・健康表示の社会的ニーズの解明と食育実践への活用に関する研究
- 肥満度判定のための幼児標準身長体重曲線
- 術前,術後のタンパク質代謝と免疫能について〔含 議論〕 (第178回必須アミノ酸研究協議会(平成16年10月19日 東京大学))
- 栄養成分表示・栄養教育検討委員会報告書 : 栄養成分表示の認知度について
- 朝食摂取が持つ知的作業への影響
- 乳幼児栄養の基本と指導の要点 (増大号特集:乳幼児への育児のポイント--外来診療における指導) -- (食と栄養の問題)
- 食がつくる「元気のモト」--子どもの食事はどうなっているか (特集 元気のない子・元気な子)
- 抗補体作用を示す物質の検討--アミノ酸を中心に
- 免疫粘着反応に関与するプロテアーゼ及びプロテアーゼインヒビターについて
- ジュニア期スポーツにおけるサプリメント摂取の現状とその影響
- 低栄養と免疫・過剰栄養の疾病予防を見つめた研究の軌跡(講演1「栄養免疫学と食育推進への取り組み」,21世紀における食のあり方-継(つ)ぐ・創(つく)る・育(はぐく)む-,平成22年度大会 公開学術講演要旨)
- 幼児期の生活習慣病リスクに関する研究
- 幼児の血清脂質基準値算出について
- 新しい幼児の性, 年齢, 身長別, 標準体重に基づく栄養所要量の検討 : 全国16保育所における食事調査結果との検討
- 肥満児の行動・性格傾向に関する研究 : 文章完成法式アンケート調査による
- 中学生にみられる愁訴のパターン分類と生活要因との関連
- 第18回国際栄養学会議報告
- 女子学生の安静時代謝と体組成、生活活動について
- 女子学生の身体状況並びに体型意識とダイエットに関する調査研究
- 女子学生の体温の実態とその認識について
- サービングサイズを用いた簡易食物摂取量調査法の開発
- 女子学生にみられる不定愁訴について
- しそ油とオリーブしそ油摂取が血清脂質・過酸化脂質・凝固線溶系に及ぼす影響
- 31.補体による腫瘍免疫抗体の測定(第5回補体シンポジウム記録)
- 小児期における生活習慣病の予防 (第5回「栄養とエイジング」国際会議 ヘルシーエイジングを目指して--ライフステージ別栄養の諸問題) -- (胎児期栄養と生活習慣病リスク)
- 食育とは? いま何故食育か?
- 日本における食育に関する一考察
- 幼児期から思春期へかけての肥満と高コレステロール値へ影響する食物摂取の縦断的研究
- 幼児・中学生の脂肪酸摂取と生活習慣病のリスクに関する研究
- n-3系及びn-6系脂肪酸投与ラットにおける免疫能の動態について
- 小学生の食生活及び食に関する意識・知識の発達的変容(第2報) : 変容パターンとその相互関連性
- 小学生の食生活及び食に関する意識・知識の発達的変容(第1報) : 4年生から6年生における発達的変容
- 生体防衛における補体の役割
- 急性肝炎ラットの補体系に及ぼすグリチルリチン,亜鉛クロロフィリン経口投与の影響〔含 議論〕 (第175回必須アミノ酸研究協議会(平成15年10月17日 京都大学))
- システイン含有肝臓疾患用剤の補体活性への影響〔含 議論〕 (第161回必須アミノ酸研究協議会)
- 幼児の肥満要因と母親の食意識・食行動の関連について
- 第六次改定日本人の栄養所要量からみた***および鉄欠乏性貧血学生の栄養摂取状態の検討
- 管理栄養士の教育の方向 (特集 管理栄養士養成の最近の動向)
- レクチン経路補体溶血活性の測定について
- 小中学生の成人病症候出現と食生活の変貌
- 小学生における成人病症候の発現状況と食生活の要因
- 小児の成人病症候におよぼす食事性因子と栄養指導の効果
- 生活習慣と食のしつけ (特集2 食としつけ)
- 新しい補体第三経路の測定法について (第152回必須アミノ酸研究協議会)
- 3.追加 ラット D.A.B. 肝癌の発癌過程における補体価の推移(第3回補体シンポジウム III 補体とその関連領域)
- ラットにおける遅延型アレルギ-反応成立に対する栄養条件
- 幼児の運動量に影響する健康・食生活の要因について
- 鉄欠乏性貧血若年女子の血漿含硫アミノ酸値
- 成人病予防健診と栄養教育のシステムづくり
- 小学生に対する食生活指導とそれが食行動に及ぼす影響
- バランスのとれた食事のとり方 (特集 食と健康を考える)
- 小児期の肥満度, コレステロール値の変化および異常値出現に関与する食事性因子の検討 : 5歳からの追跡調査
- 核酸フリー食飼育ラットにおける補体系及びその他の免疫因子の変動
- 過剰栄養児の補体系を中心とした生体防御能と成人病危険因子について
- 9-β-D-Arabinofuranosyladenine-5'-(dihydrogen phosphate) (Ara-AMP) が,血液および血清に及ぼす影響
- う歯に関与する生活状況とその因子
- 2.ビタミンC欠乏及び過剩モルモットの免疫学的研究(ビタミンC研究委員会 : 第36回会議研究発表要旨)
- 冬期訓練中の職業野球選手の栄養素摂手状況と血液性状及び血清の生化学的所見について
- 低年齢期の食育 (特集 食生活改善から食育へ)
- 小児期における生活習慣病の予防
- 糖質摂取が血清ビタミン総B_6,AST,ALTにおよぼす影響
- 食生活で配慮すべき新しいわが国の栄養成分表示のあり方--日米比較を中心に
- 食が担う健康と農業
- 食が担う心身の健康
- 学校保健と食教育 (主題 学校保健の展望)
- 1.モルモットのビタミンC欠乏過程における補体系の消長 : ビタミンC研究委員会第45回会議研究発表要旨
- 食べ物の安全と安心を考える--国の役割とリスクコミュニケーション
- 低栄養ラットにおける補体増強剤によるiC3b形成と貧食能について
- 高齢者における栄養指標と免疫能
- 鉄欠乏性貧血女子学生の血清ビタミンAとレチノール結合たんぱく(RBP)値および食物摂取調査
- 子どもの食教育 (特集 現代人とダイエット)
- 栄養と生体防衛
- 栄養状態の変化と生体防衛因子,特に補体の変動に関する応用的研究
- 小中学生における小児期の成人病対策 (特集 小児期の成人病)
- "第12回国際食料学会議"に参加して
- 食品の栄養表示と栄養教育
- 子どもの成人病予防のための生活指導 (子どもと成人病)
- 生存の条件--生体の防御と子どもの食生活(特別講演) (第34回日本小児保健学会)
- 肥満児指導のための食品構成の試案とその指導効果
- 栄養と生体防衛
- 低栄養動物における生体防御 (低栄養と生体機能)
- ビタミンC欠乏および過剰モルモットにおける補体系の変動
- The effect of vitamin C deficiency on complement systems and complement components.
- 低栄養および栄養回復期のラットにおける補体価とツベルクリン反応
- 低栄養ラットにおける補体価とツベルクリン反応
- 小児保健 小児における肥満の近年の推移と栄養・環境要因