<原著>食餌・運動・身体組成と血清脂質 : 都市と山村との比較

概要

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都市および山村こ居住する成人男女を対象に, 食餌, 運動, 身体組成, 血清脂質などについての調査測定を行なった。1) 都市には運動不足の傾向が認められたが, 山村にはそのような傾向は認められなかった。2) 掛けにも若干の問題があるにはあるが, 全般的には望ましい食餌の状態であると判断された。しかし, 山村では穀類エネルギー比が高く, 動物性食品の摂取量が少ない傾向にあり, ビタミン類でミネラル類の摂取量には所要量を下回る傾向もみられた。3) 身長および%Fatは都市の方が有意に高かったが, 男性では体重およびLBMに有意な差は認められず, 女性の場合には, 体重およびLBMは, 山村の方が有意に高かった。また, 蛋白質摂取量も都市の方が高かった。4) 以上のことから, 身長と体重の比による肥満度の判定法には若干の問題があること, また, 身体活動の状態が栄養素の利用率に影響を及ぼす可能性があることを指摘した。5) 女性の場合, 血清脂質に地域差は認められなかったが, 男性の場合には地域差が認められた。すなわち, 都市の男性は山村の男性よりも, HSLが低く, TG, TCが高い傾向であった。6) 都市では, HDLは女性の方が, TGは男性の方が有意に高い傾向であった。また, 山村の男性のHDLは, 都市や山村の女性よりもむしろ高い傾向であった。7) 血清脂質の性差や地域差の主要な原因としては, 男性が女性よりも肥満や運動不足の影響を強く受けるためであると考えられた。8) 都市においては, 運動不足の解消, とりわけ男性を対象とした運動不足の解消を中心とした健康の維持増進策が必要であり, 山村では, 動物性植物の普及など, 食生活の改善を中心とした健康の維持増進策が必要であろうと考えられた。
1982-03-30

<原著>食餌・運動・身体組成と血清脂質 : 都市と山村との比較

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