日本列島近傍の電力線誘導放射電磁界の観測 : B_1-31 の結果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1982年10月18日, 三陸より放球された気球B_1-31に搭載した新型の観測装置により, 日本列島の電力線の誘導放射電磁界を観測した。この装置によって磁界電界の水平・垂直両成分が観測できた。水平ループアンテナの指向性を利用して, 磁界の発生源の方向を探った結果50Hzでは, 磁界は主に東日本の50Hz地域の中でも南半分の部分から来ていることが判明し, 他方, 60Hzでは, 西日本の60Hz地域全体から来ていることが明らかになった。50Hz磁界強度は, 6×10^<-6>A/m(放球点付近)から3×10^<-8>A/m(500km)まで変化する。60Hzでは, 5×10^<-7>A/m(放球点付近)から6×10^<-8>A/m (500km)まで変化する。50Hz電界強度は3×10^<-2>V/m(放球点近傍)から1×10^<-4>V/m (30km)まで変化するが, それ以後では背景雑音強度以下となる。60Hzでは, 観測全体に渡って背景雑音強度以下であった。観測によって得られた電磁界強度の減衰率と双極子モデル計算結果の比較を行った結果50Hzでは放球点から10km程度までの急激な減衰があり, これついては垂直電気双極子モデルが適用できると考えられ, それ以遠では, 水平磁気双極子モデルを指向して緩やかな減衰率を生ずると考えられる。60Hzの緩やかな減衰率は50Hzでの遠方の場合と同様に水平磁気双極子モデルが適用できると考えられる。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
芳野 赳夫
電気通信大学電子工学科
-
芳野 赳夫
電気通信大学工学部
-
富沢 一郎
電気通信大学工学部
-
冨沢 一郎
電気通信大学菅平宇宙電波観測所
-
山川 智
電気通信大学応用電子工学科
-
冨沢 一郎
電気通信大学工学部
-
芳野 赳夫
電気通信大学大学院電気通信学研究科
-
芳野 赳夫
電気通信大学
関連論文
- 昭和基地における気象衛星データの受信方法(g.将来計画)(第2回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム : Part II)
- 山岳地における超短波伝播に関する研究
- マイクロストリップ線路の伝送常数
- 越冬期間中の電気関係報告(設営科学技術部門)(南極シンポジウム)
- 菅平宇宙電波観測所に於けるホイッスラー空電観測(3) : 1年間の観測データから見た諸特性
- 菅平宇宙電波観測所におけるホイッスラー空電観測(2) : 冬季三カ月間(1970.1?1970.3)の観測結果
- 菅平宇宙電波観測所におけるホイッスラー空電観測(1) : 観測例とその意義
- 菅平宇宙電波観測所の内容について
- 人工地震に伴う電磁気現象 : 富山県大山町での調査例
- 人工地震に伴う電磁気現象(第3部 地殻活動に伴う電磁波放射の研究)
- Development of ELF Receiver System for Observation of Electromagnetic Phenomena Associated with Earthquakes or Volcanic Eruptions
- EXOS-A衛星で観測されたLHRホイスラ(c.磁気圏内の波動粒子相互作用)(第2回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム : Part I)
- EXOS-A搭載プラズマ波観測器
- 第17次南極地域観測隊越冬隊報告1976-1977
- 多波長フォトメーター観測による降下電子エネルギーパラメーター の推定
- 木星デカメートル波放射におけるLバーストの起源に関する観測研究
- 南極通信の現状と将来計画
- 昭和基地におけるEXOS-Dの受信計画
- 昭和基地周辺の地磁気全磁力分布
- 南極域におけるVLFヒス・ソーサーの発生領域(c.磁気圏内の波動粒子相互作用)(第2回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム : Part I)
- 昭和基地におけるVLFエミッションの地上・人工衛星同時観測 : ヒスとオーロラとの関連
- 南極ロケットS-210 JA-24,25号機による電離層電場の観測(b.電場と電流系)(第1回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム(Part I))
- 昭和基地におけるEXOS-A(極光)の受信
- ループアンテナの微小回転振動に起因した S/N の低下が電力線放射源方向の推定に与える悪影響
- 日本列島近傍の電力線誘導放射電磁界の観測 : B_1-31 の結果
- 4)日本列島周辺における電力線誘導放射電磁界 : 気球観測(無線技術研究会(第94回))
- 木製デカメートル波放射観測用超長基線干渉計(VLBI)システム
- 日本列島周辺における電力線誘導・放射電磁界 : 気球観測
- 電力線誘導・放射の水平磁界成分の分布
- 電力線放射の研究 : I.気球観測
- 木星デカメートル波放射のダイナミックスペクトル観測
- 衛星を利用した極域でのデータ収録(g.将来計画)(第2回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム : Part II)
- 地震に伴う電磁波放射現象の公衆電話回線による観測データ収集システム
- 第10次南極観測用KD60型雪上車の騒音測定
- 共役点オーロラ画像処理システムの開発
- 1993年国際チューリッヒEMCシンポジウムの概要
- 越冬期間中の燃料関係報告(設営科学技術部門)(南極シンポジウム)
- 氷冠雪上の電波伝播特性(超高層物理部門)(南極シンポジウム)
- 昭和基地におけるオーロラノイズの観測(超高層物理部門)(南極シンポジウム)
- 南極気球による電場とオーロラX線の観測(b.電場と電流系)(第1回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム(Part I))
- ミリ波電波干渉計におけるバイスペクトルを用いた点状天体の強度測定法
- 南極氷冠上の電波反射特性(線路,EMC,一般)