ループアンテナの微小回転振動に起因した S/N の低下が電力線放射源方向の推定に与える悪影響
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概要
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大気球に搭載した電力線放射観測装置により電力線放射源方向を推定する場合, ループアンテナの角度分解能に対して信号対雑音比(S/N)の影響が重要な要素であることを示した。実際に大気球B_1-33およびB_1-34の観測データを用いて磁界強度の回転角依存性から電力線放射源方向を推定する場合, S/Nが低いため推定精度が90°と悪いことがわかった。また, この解明の過程において, 背景雑音強度が南北方向で増加し, 東西方向で減少するという特徴を両気球観測共示すことがわかった。この特徴は雷放電ではなく気球の回転自体に起因していることを示している。こうした特徴から雑音の原因について調べた結果, ループアンテナ軸に直交した水平軸まわりの微小回転振動の大きさが南北方向で最大となり東西方向で最小となるためであると結論した。しかし, 実際に観測された雑音強度の回転角特性が, 滑らかではなく細かい変動を示すことから, 雑音強度の特性には, さらに, 回転振動の時間的変化または雷放電活動度の時間的変動に起因する部分が含まれていると考えられる。
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