M-3SII-8号機第2段 LITVC 姿勢制御異常に関する技術検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本書は, 文部省宇宙科学研究所が平成7年1月15日に打ち上げたM-3SII型ロケット第8号機の第2段飛翔中に発生した姿勢異常について行った技術検討結果を報告するものである。本書は, M-3SII-8号機調査特別委員会の報告書ではなく, 内容は, 技術検討結果のみを報告するものである。過去, 今号機において行われた飛翔前試験の実施状況や, 体制を含めた不具合発生との関連, 再発防止などについては, 同調査特別委員会の最終報告書にゆずる。内容は, 何回かの調査特別委員会にて検討に供された技術資料を, 順次章ごとにたどる形式が採られている。本書では, 以下の同委員会報告内容の主たる点を, この冒頭で記述するにとどめる。「姿勢異常の原因は, 制御系を介した構造振動モードの励振に端を発した姿勢制御用噴射体の枯渇にあったことが明らかとなった。制御系が自励的に構造振動を発振せしめた原因は, 今第8号機におけるペイロード重量増により, 姿勢検出部における構造振動モードが不安定側に大きく転じていたことと, 同じ理由により構造振動に対する制御利得が著しく大きな値となっていたためである。M-3SII型ロケットの開発にあたっては, その初号機の飛翔前においては, 構造振動モード解析ならびにそれら柔軟性を考慮した制御系解析が行われたのであるが, 1)初号機においては剛体性が極めて高いことが数値指標で確認されていたこと, 2)姿勢検出部は初号機においては第1次構造振動モードの腹の位置にあり少なくとも線形性の成立する範囲ではペイロード重量の構造振動モードの制御安定性におよぼす感度は十分小さいと判断されていたこと, 3)今号機の飛翔以前の7回の飛翔を通じて第1次構造振動モードは励振はもちろん検出されたことがなかったことから, 今第8号機の飛翔前においては, 依然として剛体性近似が適用できると判断し, 構造振動モード解析および柔軟性を考慮した制御系検討は行われなかった。これが今回の不具合を事前に発見するにいたらなかった理由である。」
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
関連論文
- 低重力環境用打ち込み式試料採取器の捕集効率
- 高信頼性モードと高速アクセスモードを有するディペンダブルSRAM(高信頼システム,システム設計及び一般)
- 高信頼性モードと高速アクセスモードを有するディペンダブルSRAM(システム設計及び一般)
- DVS環境下での小面積・低電圧動作8T SRAMの設計(メモリ,VLSI回路,デバイス技術(高速,低電圧,低消費電力))
- DVS環境下での小面積・低電圧動作8T SRAMの設計(メモリ, VLSI回路,デバイス技術(高速,低電圧,低消費電力))
- ビット線電力を74%削減する動画像処理応用10T非プリチャージ2-portSRAMの設計(アナログ・デジアナ・センサ,通信用LSI)
- ビット線の電力を削減する実時間動画像処理応用2-port SRAM(新メモリ技術とシステムLSI)
- A-3-11 ビット線電力を8割削減する動画像処理応用10T非プリチャージ2-port SRAM(A-3.VLSI設計技術,一般講演)
- C-12-42 ビット線充放電電力を53%削減する動画像処理応用2-port SRAM(C-12.集積回路D(メモリ),一般講演)
- しきい値電圧ばらつきを克服したDVS環境下における0.3V動作SRAMの開発(VLSI回路,デバイス技術(高速,低電圧,低消費電力))
- AS-2-2 動的電圧制御環境下における0.3-V動作64-kb SRAM(AS-2. ASPLA 90nmを用いたVLSIの研究開発,シンポジウム)
- リーク電力を考慮した周波数-電圧協調制御型プロセッサの消費電力最小化スケジューリング(プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- 動画像符号化処理における電力最小化のためのフィードフォワード型動的周波数/電圧協調制御アルゴリズム
- 2I1030 短時間ガス放出における風速の強弱による拡散特性
- TB-1-5 小惑星探査における自律着陸ランデブ手法
- M-3SII-8号機第2段 LITVC 姿勢制御異常に関する技術検討
- リーク電力を考慮した周波数-電圧協調制御型プロセッサの消費電力最小化スケジューリング(プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- リーク電力を考慮した周波数-電圧協調制御型プロセッサの消費電力最小化スケジューリング(プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- リーク電力を考慮した周波数-電圧協調制御型プロセッサの消費電力最小化スケジューリング(プロセッサ,DSP,画像処理技術及び一般)
- 気球によるグライディングパラシュート飛翔制御試験
- M-V型ロケットの推力方向制御(TVC)装置 (M-V型ロケット(1号機から4号機まで))
- 小型探査機による金星ミッション--金星カプセル・バルーン&ソーラーセール実験計画
- しきい値電圧ばらつきを克服したDVS環境下における0.3V動作SRAMの開発(VLSI回路,デバイス技術(高速,低電圧,低消費電力))
- M-Vダイナミクスと姿勢制御論理の設計 (M-V型ロケット(1号機から4号機まで))
- 伸展ワイヤのダイナミクスとオペレーションの実際
- 宇宙ステ-ション上のMRMSの運動の定式化とその応用
- M-V型ロケットの飛翔保安システム (M-V型ロケット(1号機から4号機まで))
- 離散時間系における物理量同定とその時変系への応用
- M-V型ロケットの推力方向制御(TVC)装置
- M-V型ロケットの飛翔保安システム
- 液体タンクに起因した衛生ニューテーション運動発散の時定数推定
- M-Vダイナミクスと姿勢制御論理の設計
- イプシロンロケットの開発構想(イプシロンロケットの開発 第1回)
- 202 小惑星探査計画(MUSES-C) : サンプリング装置(セッション2)
- イプシロンロケットの情報化システムの開発(イプシロンロケットの開発 第4回)
- 動翼を用いた観測ロケットの適応型姿勢制御系の設計とハードウェア試験
- SF-009-2 肥満患者に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術における術前胃周囲血管同定の検討(SF-009 サージカルフォーラム(9)胃 鏡視下-2,第112回日本外科学会定期学術集会)
- PS-039-7 浸潤性膵管癌術後補助化学療法の効果に関する検討(PS-039 膵 周学的治療-3,第112回日本外科学会定期学術集会)