M-Vダイナミクスと姿勢制御論理の設計
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概要
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本稿では,M-V型ロケットのダイナミクスと各段姿勢制御型論理(搭載制御則)の設計について説明する.制御器設計という観点から見た場合,M-V型ロケットにはM-3SII型ロケットと対比して以下のような特徴がある.*第1段ステージが空力不安定 *第2段ステージで比例制御が可能 *第3段ステージに3軸制御を導入 制御アルゴリズムの設計にあたっては,ノミナルモデルに対する応答性や安定性はもちろんのこと,システムパラメータの不確定性に対するロバスト性も考慮した.特に,第1段ステージのTVC制御については,目標値追従性能(感度特性)とロバスト安定性(相補感度特性)に対する要請を同時に満足させるためにH∞制御理論を適用し,混合感度問題の枠組みの中でその設計をすすめた.ただし,制御器の本質を把握するためにその古典的理解を並行して行った.なお,制御器の次元は,II型同様6次元にとどめた.第2段,及び,第3段制御器の設計も第1段制御器と同様に,ロバスト設計となっている.ただし,第1段制御器の設計を通して得られた知見を基に,古典的手法を援用した.なお,B2SMSJ,及び,B3SJについては,2次のレートフィルタという簡素な形式をとっているが,各段TVC制御と同様に,ロバスト設計とした.以下では,第1段ステージのピッチ及びヨー制御を例にとり,制御論理の設計手法について詳述する.なお,他段及びSMSJ/SJの制御論理の設計についても同様のアプローチをとった.
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
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川口 淳一郎
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究本部
-
森田 泰弘
宇宙科学研究所
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川口 淳一郎
文部省宇宙科学研究所
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森田 泰弘
文部省宇宙科学研究所
-
後藤 晋一
文部省宇宙科学研究所
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