S-520-4 号機による中間紫外大気散乱光観測とオゾン密度
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概要
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中間紫外域に存在するオゾンハートレー吸収帯を利用したオゾンの定量はロケット・衛星観測で広く行なわれている。我国においても1965年以来, この波長域の太陽光のオゾンによる吸収をロケットに搭載した光電受光器で観測している。一方1984年打ち上げが予定されている EXOS-C に分光器を搭載して, この波長域の地球大気散乱光を分光観測することが計画されている。1981年9月5日 S-520-4 号機により, 衛星搭載用の分光器試験を行なった。この装置で2500A∿3300Aの太陽紫外光の地球大気による散乱光と4030Aの可視散乱光を測定した。分光器は凹面回折格子を用い, 波長分解能は約10Aである。検出器には C_s-Te光電面の光電子増倍管を用いた。一方可視散乱光は干渉フィルターと光電管を用いて測定した。得られた紫外光のスペクトルとモデル計算による値を比較し, オゾン密度の定量を行なった。今回得られた散乱光の強度から推定されるオゾン密度分布は高度30km以上で, 従来内之浦で行なわれた光電受光器による観測結果とほぼ一致した。スペクトル強度について, 2600A以下3100A以上で実測値と計算値に違いが見られた。これはミー散乱及び紫外光の迷光の影響と考えると説明できる。今回の実験で飛翔時における分光器及び検出器の性能が確認できた。
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