科学衛星「たいよう(1975-014A)」の姿勢決定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1975年2月24日,M-3C-2号機によって軌道投入された第3号科学衛星「たいよう(1975-014 A)」に対する姿勢決定の結果を用いて,「たんせい(1974-08A)」と「たいよう」のために開発した姿勢決定の方法とシステムについて報告する.これら2つの衛星はスピンによって姿勢安定化されており,磁気的トルクを用いたスピン軸およびスピン速度制御が行なわれた.そのために,比較的短時間内に姿勢センサのデータからスピン軸の方向を決定することが要請されていた。姿勢センサとしては,ディジタル太陽センサ,赤外水平線センサ,および2軸又は3軸のフラックスゲート型磁力計が開発され搭載されていた.スピン軸の方向を決定するために採用した方法は,いわゆる円錐角法と二面角法であった.本文ではまず,衛星スピン軸の方向を決めるのに採用した方法を,上述のセンサの場合について詳細に解説し,姿勢決定を行なうための地上データ伝送処理系統および姿勢決定プログラムの構成を述べる.次に,「たいよう」の姿勢センサの動作概要の説明を通じて,科学衛星のために開発してきた姿勢センサの現況が明らかにされる.さらに,「たいよう」におけるスピン軸方向制御時およびその後の長期間にわたる姿勢決定の結果が示され,精度の検討や姿勢変化に対する理論的考察が行なわれることによって,ミッションから要求されていたスピン軸姿勢がほぼ実現維持されていたことが述べられる.
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
関連論文
- MUSES-C航法・姿勢センサ開発について
- 高精度ディジタル太陽センサおよび試験用擬似太陽光源の開発
- "さきがけ(1985-001-A)"および"すいせい(1985-073-A)"の姿勢決定
- 第14号科学衛星「ようこう(1991-062A)」の姿勢制御
- 科学衛星の搭載基本機器
- 科学衛星磁気試験装置(2号機)による「ひのとり」の磁気試験と軌道上における姿勢ドリフト
- 科学衛星「たいよう(1975-014A)」の姿勢決定
- 人工衛星光学追跡用コーナ・キューブ・レーザ・リフレクターの解析
- ヨーヨー・デスピン(II)
- ヨーヨー・デスピン(I)
- 球形エアベアリング姿勢計測装置
- S-520-4 号機による中間紫外大気散乱光観測とオゾン密度
- 「たいよう」衛星による中間紫外散乱光の観測
- 試験衛星「たんせい3号」
- 十字バネを用いた微小トルク測定装置
- シリコンディジタル太陽センサ(I)
- 科学衛星磁気試験装置
- アニュラ型ニューテーションダンパの地上実験
- 熱初速度分布を考慮した陰極線管電子銃特性の解析
- 第3号科学衛星SRATSの姿勢制御システム(I)
- 成層圏NO_2高度分布の気球観測
- 吸光スペクトル法による大気NO_2全量の測定