<論文>人工衛星光学追跡用コーナ・キューブ・レーザ・リフレクターの解析

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短時間で高精度の距離測定の方法として,人工衛星とレーザを利用した測距方式が近年諸外国で研究され,実用化が進められてきている.この測距方式を用いるに当っては,地上系,伝達系及び反射系において種々の問題が考えられるが,本文では,特に反射素子として重要な役割をもつコーナ・キューブ・レーザ・リフレターの光学的性質について論ずる.コーナ・キューブの光学的性質の中で,特に反射パターンに大きな影響を及ぼす回折効果について,これまで行われてきた円孔及びひし形孔のような近似孔による解析方法と異なる,実際のコーナ・キューブの形状に即した孔について解析を行った.また,コーナ・キューブの反射パターンは,入射角度に大きく依存し,複雑に変化するため,任意の入射角における反射パターンを算出するプログラムを製作し,実験値と比較した結果良い一致をみることができた.さらに,搭載の際に問題となる,コーナ・キューブの配列方法及び配列間隔の変化による反射パターンに及ぼす影響を検討した結果,姿勢変化に対してパターンヘの影響の少ない回転対称形に配列し,その間隔は,パターンの分散を避けるため,可能な限り近づけて搭載することが望ましいという結果が得られた.そして最後に,東京天文台の送受光系を用いたときの,コーナ・キュープの搭載個数と距離との関係をレーザ・レーダ方程式より論じた.
宇宙航空研究開発機構の論文

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