科学衛星磁気試験装置

概要

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科学衛星の設計製作に関連して,衛星や部品の磁気モーメントを正確に測定するとともに,その磁気的補償や消磁を行なう必要が生じる.筆者らは,これらを目的とした科学衛星磁気試験装置を設計製作した.本装置は基本的には,球面および円形の検出コイルより構成され,その内部で被試験休を回転することによって検出コイルに生じる誘起起電力を検出する方法による.地磁気の消去あるいは60エルステッドまでの一様磁界を発生するために,同じ球面上に別のコイルが設けられている.本装置の機能は,(1)衛星の合成磁気モーメント(大きさと方向)の測定,(2)磁気モーメントの局在分布の半定量的解析,(3)部品のもつ磁気モーメントの測定,(4)消磁,および(5)その他の実験のための一様磁界の発生,である.本装置の特徴は,比較的外来雑音の多い環境においても,高感度にかつ簡便に上記諸機能をはたしうる点にある.本装置の完成を機会に,本報告では,測定方法の原理,装置の概要,および各機能の試験結果について報告する.
宇宙航空研究開発機構の論文