おおぞら BUV 観測によるオゾンのグローバル分布
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概要
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科学衛星EXOS-Cに搭載された分光計BUVによって, 波長260∿315nm域における太陽紫外光散乱強度が測定された。観測されたスペクトラムを反転解析することにより, 成層圏・中間圏のオゾン高度分布が1984年3月から1987年9月にかけて約2万個得られた。反転解析においては, 放射強度とオゾン濃度との近似線形関係を逐次仮定しながら, 線形束縛条件付き最小2乗法で解を反復的に修正していく解法を用いた。測定器感度の絶対値の較正は, 内之浦で行われたロケット・ゾンデ観測によって得られたオゾン濃度に, 同時観測されたデータが一致するように行われた。データ解析によって得られたオゾン濃度を幾つかの地上同時観測と比較した結果, 約±10%の範囲で一致していることが確認された。グローバルに観測されたデータから月毎の平均子午面分布を作成し, これと他の衛星観測に基づく暫定版CIRAオゾン・モデルとの比較を試みた。この結果, 気圧1mb∿10mbの高度領域では±10%ないし±15%の範囲で両者は良く一致していることが示された。1mbより高度の高い領域ではBUVの方が-10%∿-30%小さく, 逆に10mbより低い高度においてはBUVの方が, 緯度35°より高緯度側で+10%∿+30%大きい値を示した。各緯度帯ごとの3年半分のデータには1年以上の長期変動がみられた。その主たる原因は, 測定器感度の経年変化であると思われ, この変化は波長依存性を持ち時間的にも一定ではないことがわかった。
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