沖縄地域における柑橘類の生態に関する研究 : 第 IV 報タンカン Citrus tankan HAYATA について(農学科)
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概要
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本研究は沖縄地域におけるタンカンの導入過程や生態調査を行なったもので次の諸点が明らかとなった。1.沖縄地域におけるタンカンは, 1935年頃, 台湾から見本程度に導入されたが, 全域的な経済栽培は1966年からである。2.開花期の早晩は, 開花前冬季の気温や雨量, 更には, 前年の新梢の発生時期と深い関係にあり, 暖冬多雨の場合は早く, 新梢の発生時期が早く早期に充実した樹ほど早期開花となっている。3.着化率も前年の新梢発生時期と深い関係にあり, 発生時期が早く早期に充実した樹ほど高くなり, また, 着果樹よりも無着果樹の方が高い着花率となっている。4.糖は11月中旬より増加し始め, 2月下旬において最高に達するが, 糖含量は気象条件によって大きく異なり, 暖冬多雨の場合は13∿14度, 気温が平年なみで乾燥が続く場合は, 15∿16度となり, 全般に高い糖度を示している。5.酸含量は11月中旬より低下し2月中下旬で1%以下となり, 暖冬の年ほど減酸の程度が早くなっている。6.着色については, 気温と乾燥が大きく影響し暖冬多雨の年は2月中下旬, 低温乾燥の年は12月下旬で完全着色となり著しい幅が認められる。7.タンカンは気象条件の大幅な変動にもかかわらず品質は安定し, 病害虫や台風にも強く沖縄地域にとって好適な品種である。
- 琉球大学の論文
- 1977-12-01
著者
-
比嘉 照夫
琉球大学農学部
-
米盛 重友
琉球大学熱帯生物圏研究センター
-
米盛 重友
琉球大学農学部附属熱帯農学研究施設
-
比嘉 照夫
琉球大学農学部園芸学部
-
米盛 重友
Research Institute Of Tropical Agriculture College Of Agriculture The University Of Ryukyu School Of
-
米盛 重友
琉大・熱生研
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