森林の開墾にともなう植生の変化について : 第 1 報初期における低木および草本類の生態について(附属熱帯農学研究施設)
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概要
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本報は琉球大学農学部附属熱帯農学研究施設において開墾の違いによる植生の経時的な変化について, 開墾後2年間の調査結果である。1. 開墾はレーキドーザーを使用し地形を変えず表土を残した区とブルドーザーで表土を除き平担とした慣行の区を作り, 隣接する自然林を対照区とした。2. 対照区の植生は40科68種で構成され低木層ではヤマヒハツ, モクタチバナ, リュウキュウアオキ, アデク, ケハダルリミノキ, リュウキュウガキ, マンリョウなどが優占種となり草木層ではイリオモテクマタケラン, センリョウ, ヒリウシダ, ツルアダンなどが優占種となっている。3. レーキドーザー区に認められた2年間の植生は14科33種であるが, その内12種は対照区で認められず, 試験区外から種子が飛来したものと思われる。4. ブルドーザー区に認められた2年間の植生は7科10種でその内5種は対照区内に認められず, 試験区外から飛来したものと思われる。5. レーキドーザー区は2年間において植物の種類では対照区の約50%, 対照区内にある植物のみでは30%であるのに対し, ブルドーザー区は植物の種類で14%, 対照区内にある植物では7%にすぎない。6. 開墾区の2年間における植生は環境適応性に強い陽性植物が中心をなしており, 対照区の優占率の高い主要な種類はほとんど認められていない。
- 1979-12-11
著者
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米盛 重友
琉球大学熱帯生物圏研究センター
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米盛 重友
琉球大学農学部附属熱帯農学研究施設
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米盛 重友
Research Institute Of Tropical Agriculture College Of Agriculture The University Of Ryukyu School Of
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米盛 重友
琉大・熱生研
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