第 II 報早生温州 C. unshiu var. praeox TANAKA について(沖縄地域における柑橘類の生態に関する研究)(農学部)

概要

論文の詳細を見る
沖縄地域における早生温州の導入過程や生態についての調査を行なった結果, 次の点が明らかとなった。1.沖縄地域における早生温州は, 1950年以後見本程度に導入され, 本格的な経済栽培は1966年からである。2.年間の新梢発生回数は, 未着果樹の場合, 石垣市で4∿5回, 石川市で3∿4回, 着果樹は両地域とも2∿3回である。その内有効な結果母枝となり得るものは, 未着果樹が石垣市で4回目, 石川市で3回目, 着果樹は両地域とも2回目の新梢である。3.開花最盛期は並年で, 石垣市は3月中旬, 石川市は4月上旬となるが, 冬季の気温や樹の栄養状態により, 10日前後のずれが認められる。4.着果率は, 発蕾から生理落果期までの降雨量によって大きく変動し, 多雨の場合は着果率は著しく低下する。それらの時期は, 石垣市で2月下旬∿4月上旬, 石川市で3月中旬∿4月下旬となっている。5.糖度8度以上, 酸度1.5%以下を基準とする収穫期は, 石垣市で7月中旬∿8月中旬, 石川市で7月下旬∿9月上旬である。
琉球大学の論文
1975-12-01