沖縄における野菜の市場構造(農学科)

概要

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沖縄県産野菜市場は県内市場と県外市場とからなっている。沖縄県産野菜に対して県外市場側から指摘された問題点の1つは, 出荷量が不安定であることであり, もう1つは, 農協間に出荷野菜の品質に格差があることである。県外出荷野菜の安定供給ならびに品質の向上をめざさないかぎり, 本土における野菜の端境期(冬春期)に外国産野菜につけいるすきを与えてしまうことになる。外国産野菜の輸入により大きな打撃を受けるのは沖縄の野菜生産者である。不安定性は生産管理技術の普及を徹底することにより, ある程度除去可能である。又, 最近導入した農協別の販売における共計方式により, 地域ごと農協ごとの競争意識が高まれば, 生産技術の向上にむすびつき, 品質のよい野菜の生産が期待される。県外出荷野菜の栽培面積の拡大が, 県内市場向け野菜の栽培面積の縮小につながっている。さらに, これまでの多品目少量生産から近年の少品目大量生産へと変化してきたことも, みのがしてはならない。県外出荷野菜の安定生産と品質向上に努力することは, もとより, 必要なことである。同時に, 輸移入代替野菜の生産にも積極的に取り組む必要がある。具体的には, 夏秋期に育成可能な野菜の開発と従来地場流通野菜として生産していた野菜(たとえば, エンサイ)を生産することにより, それだけ輸移入野菜を減らすことができ, ひいては, 野菜の自給率を高めることにつながるのである。
琉球大学の論文
1986-12-05

沖縄における野菜の市場構造(農学科)

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