第 2 報本病の発生圃場から分離された Pythiaceae 菌(パインアップル root rot wilt に関する研究)(農学科)

概要

論文の詳細を見る
萎ちょう病の発生圃場から, Pythiaceae菌の分離を試み, 主な菌株をパインアップルの根に接種, 根の症状を観察し, 病原性について検討した。Phytophthora cinnamomiは国頭を除く, 大宜味, 東, 今帰仁, 本部, 名護, 宜野座, 石川, 石垣, 西表と, ほとんどの圃場から分離された。Phytophthora nicotianae var. parasiticaは本部, 名護, 宜野座, 石川, 石垣, 西表から分離された。Pythium sp. (A), Pythium sp. (B)はずれも大部分の圃場から分離された。菌の分離には, 採取した根を直接用いての静置分離法と, パインアップル葉を用いてのtrap法を平行して行なった。そして, Pythiaceaeの分離割合を比較したところ, パインアップル葉を用いてのtrap法で多く分離された。Phytophthora cinnamomi, Phytophthora nicotianae var. parasitica, Pythium sp. (A), Pythium sp. (B), Fusarium sp., Ceratocystis paradoxaの6菌株を根に接種した。Phytophthora cinnamomiおよびPhytophthora nicotianae var. parasiticaを接種した根はすべて発病しており, ひどい根腐れを生じた。Pythium sp. (A)を接種した根は発病根率17∿62%で幅広い値を示したが, 発病程度はいずれも軽かった。Pythium sp. (B)を接種した根で発病したものは少なく, それらの発病程度はきわめて軽かった。
琉球大学の論文
1978-12-01