第 1 報 沖縄における本病の発生状況(パインアップル root rot wilt に関する研究)(農学科)
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概要
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沖縄県におけるパインアップル萎ちょう病の発生圃場を対象に, 根, 葉および果実の調査を行ない, 萎ちょう病の発生状況を把握するように努めた。調査圃場の大部分は水はけが悪く, 萎ちょう病の発生が多い。調査圃場の根については, ほとんどが褐変, 枯死しており, 激しい病徴を示している。葉の症状は大きく分けて2つのタイプがあり, 根の症状と同じく激しい病徴を示すタイプと, 根が侵されていても症状の現われないタイプがある。これは, 時期的なことが原因となる場合と, 施肥が原因となる場合の2通りが考えられる。6月から12月までをみた場合, 6月から9月までは葉の症状は顕著であるが, 9月以降12月までは症状が軽度で判断が困難になる。パインアップルは葉からも養分を吸収できるため, 葉に肥料を施すことで地上部が健全にみえることから, 葉によっての病気の判断が困難なことがわかる。しかし, 健全株にみえても, 根が大部分侵され養分吸収が不可能な株は, 開花結実期に入ると, 葉の養分がほとんど果実にいくため, 萎ちょう症状を呈する。萎ちょう株の果実は小さく,成熟期に入る前に黄変し, 後に腐敗するものが多い。
- 琉球大学の論文
- 1978-12-01
著者
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