<論文>翼列翼の空力的減衰に関する研究 : 上下振動する二重円弧翼列の場合(V/STOL機用エンジンに関する研究)
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概要
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二重円弧翼が翼弦に垂直な方向に上下振動する際に翼に働らく流体力を,単独翼の場合と翼列の場合に対して,水振動直線翼列試験機を用いて実験的に求めた.実験条件 : 翼 : 二重円弧翼(翼弦長 : 30mm,翼長 : 60mm),弦節比 : 1.食違い角(θ) : 0°,30°,45°,振動の振幅 : 2 mm,翼間の振動の位相差(ψ) : 0°,±60°,±120°,180°(背面側の翼が位相進みの時正),翼の無次元振動数 : 0.05〜0.40,流入速度:3.14 m/s(レイノルズ数:9.4×10^4)実験結果は次の通りである.単独翼の場合 : 無失速状態においては,実験より得る静的特性曲線の勾配を用いれば振動翼理論によって空力的減衰力を十分な精度で得ることができる.しかし失速状態においては,空力的減衰力は計算で推定されるものよりも大きな値を示すようになり,それは翼の無次元振動数が大きいほど著しい.一方流体力は翼の振動速度に対して大きな位相進みを示すようになる.これらは失速の際の境界層の時間遅れが原因と考えられ,簡単なモデルによりその時定数を計算した.翼列の場合 : 転向角がない場合で,実験結果と振動翼列理論と比較したところ,いずれも同位相振動(ψ=0°)において空力的減衰力は最小値をとるが,実験値は理論値の約2倍の値を示した.迎え角を増すと,ψ=0°〜180°(背面側の翼が位相進み)の範囲で空力的減衰力は著しく低下し,θ=30°および45°においては大きな迎え角範囲で負になり,フラッタの限界振動数は無失速理論の示すものの数倍にも達する.また失速の際に生ずる時間遅れの時定数は単独翼の場合に比してかなり小さいことが推定された.
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