<論文>遷音速せん断流中の翼列の研究(V/STOL機用エンジンに関する研究)
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概要
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高い推力重量比が要求されるV/STOL機用のリフトジェットエンジンのように,ボス比が小さく軸流速度が高い軸流圧縮機やタービンになると,動翼に対する流入速度は先端附近で超音速,付根附近で亜音速という分布になることが多い.本研究の目的は,このように超音速と亜音速とが混合したいわゆる遷音速で,その流入速度の翼幅方向分布が一様でないせん断流中における翼列の特性を,低速のせん断流および一様流中の翼列のそれとの比較によって明らかにすることにある.翼列上流に配置した抵抗板列によって最大局所流入マッハ数1.2以下のせん断流を作り,このせん断流および一様流での翼面静圧分布の測定を行なった.せん断流中の局所場力係数の翼幅方向分布は,少くとも最大局所流入マッハ数が1.2以下の範囲では非圧縮性せん断流における分布と同様な傾向を保持し,せん断流中の翼面圧力係数分布は,たとえ局所流入マッハ数が一様流でのその翼列の最大流入マッハ数(閉塞マッハ数)を越えても,最大流入マッハ数よりやや小さい流入マッハ数の一様流中の翼面圧力係数分布の形をそのまま保っている.せん断流中の平均揚力係数は,せん断流の平均流入マッハ数に等しい流入マッハ数の一様流での揚力係数に比べて,食違い角O°の場合は平均流入マッハ数0.1〜0.9の範囲で常に小さいが,食違い角20°の場合は平均流入マッハ数が高くなると逆に大きくなっている.
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