平行側壁をもつ後退翼に関する実験的研究
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概要
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航空原動機の軸流圧縮機,タービンにおける後退翼列の空力的特性を基礎的に調べることを目的として,平行側壁をもつ流路におかれた単独後退翼に対して実験を行なった.本実験においては,主流方向に同一の翼断面形状(NACA 65-810,翼弦長:60mm)をもつ翼を用いて,それぞれ三種類のアスペクト比(AR=l,2,3)および後退角(φ=0°,30°,45°)の場合において,翼面圧力分布を測定し,また油膜法により翼面上のフロー・パターンを観察した.その結果を要約すると次の通りである.まず迎角が小さい場合には,翼面圧力分布の翼幅方向の変化は,ARが小さくφが大きいほど大きいが,局所揚力の翼幅方向の変化は小さい.また局所揚力および翼全体の揚力は,φが大きいほどその大きさおよび揚力こう配が低下するが,ARにはほとんど無関係である.迎角を増してゆくと,下流側の翼部分から失速し始め,迎角の増加とともに失速が上流側翼部分に進行する,特にAR,がいずれも大きい場合には,翼背面を斜めに横切るpart-span渦が生じるようになる.このとき,局所揚力は,迎角の増加によって失速する直前に,大きな正の揚力こう配をもって増大するようになり,それはAR,φが大きい場合ほど著しい.これに対し翼全体の揚力はゆるやかに変化し,局所揚力特性や二次元揚力特性に見られる失速による急激な変化は見られない.
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