双数形と相対性
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概要
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物理学と数学の用語はすべてある特定の研究者が工夫して考案し, 創作したものであって, 日常生活で人々が使用する自然言語とは異なる起源をもつ。現在では学問の発展とともに用語も多くなり過ぎ, 何種類も辞書が発行されている。専門用語のできたいきさつを全く知らないで使用している研究者も多い。印欧語になじみのうすい日本の研究者が新しい専門用語を創作するには, 今までに現出している用語の創作過程をよく知っておく必要がある。各言語間の比較言語学もある部分は自然科学的考察も必要とされるが, 以下では特に印欧語の自然言語と物理学・数学の専門用語を比較してみるという意味での比較言語学を試みる。はじめに比較言語学的語学の学習法を述べ, 次に科学の専門用語の有名な例をあげて, その用語の創作過程について考察している。ついで, そのうちでも古代印欧語で使われた双数形についての要約を記して, それの意識下の世界は, 数学・物理学の用語創作での意識下の考え方, 感じ方の世界と相通じることを示している。双対性およびそれに類似の考え方と言語の創作過程は双数形を使っていた作家の心情と似ているのではないかと思われる。双数的表現は各言語, 特に日本語にもあり, これらは世界共通であり, 数学・物理学という共通の言語の世界に現れる必然性を指摘している。The terminology of physics and mathematics which is invented and created by some researchers is etymologically different from the natural language in ordinary life. As the terminology of these sciences is now increasing, many kinds of dictionaries have been published. The researchers who have no knowledge of the etymology for scientific terms may use these terms. But for creating the new terms they must know the inventing process of the terminology. In this article we will try the comparative linguistics between the natural language of Indo-European languages and the terminology of mathematics and physics. In the first chapter, we discuss how to study the Indo-European language from the standpoint of comparative linguistics. In the second chapter we study the inventing process of several examples of scientific terms. In the third chapter we summarize the dualis of the old Indo-European languages and point out the interconnection between the dualis and the concept of duality in the subliminal level. In the fourth chapter we treat the examples of duality and the similar concept. In the last chapter we mention the concluding remarks of the interrelation between these concepts.
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