振動子系とエルゴード性
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概要
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力学を根底にもつ統計力学は力学そのものと同じ正確さで記述され得るとは思われない。しかし応用科学に堕して,実験事実を説明できたらよいというものでもない。エルゴード理論が必要なのだが,数学的にまとまり過ぎてしまったためか,最近,それに反するかに思われる現象が現われている。エルゴード理論を数学的モデルのみによらず,物理現象に即して作るにはある種の極限形式で理論が書かれる必要があるように思える。非線形振動子系の場合は,もっと複雑で,はっきりとエルゴード性の成立しない力学系がある。その反面,エルゴード性とみなしてよい系も存在しているようである。筆者は,この問題を考えるのに興味あると思われるポテンシャルを提唱する。エルゴード性が成り立たない系はそんなに特別な系とは思われず,むしろエルゴード性を巾をもった概念としてとらえるべきと思われる。Recently, there appeared some statistical phenomena which are not ergodic. Various examples of non-ergodic statistical phenomena can, at present, be easily given by using a computer. In the case of non-linear oscillators, it is well known that there are clearly non-ergodic systems which have solitary waves. In connection with this case, interesting non-linear potentials are proposed in this paper which are considered to be suitable for studying the relationship between non-ergodic and stochastic regions. These examples show that the problem of coincidence of time and phase averages should be dealt with from a more fundamental point of view.
- 大阪教育大学の論文
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