ベリロンIIIを用いた吸着ストリッピングボルタンメトリーによる環境水中微量ホウ素の定量

概要

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4-｛（4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシフェニル）アゾ｝-5-ヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸（ベリロンIII）とホウ素（III）との錯形成を利用する吸着ストリッピングボルタンメトリーを環境水中微量ホウ素の高感度定量に適用した．0.06 M硝酸−0.04 M硫酸溶液（pH 4.5）をかき混ぜながら，−0.35 V vs. 飽和カロメル電極（SCE）で60秒間前電解してつり下げ水銀滴電極上にホウ素（III）−ベリロンIII錯体を濃縮後，10 mV s−1の速度で示差パルス法により電位を−0.8 V vs. SCEまで走査した．錯体の還元溶出ピークは−0.4 V vs. SCE付近に得られた．共存元素の影響について検討し，アルミニウム（III），鉄（III）及びケイ素（IV）の妨害はメタリン酸の添加により抑制できた．ホウ素（III）濃度0.2〜100 ng mL−1の範囲で直線（相関係数＞0.999）の検量線（ピーク高さ対濃度）が得られ，相対標準偏差（n＝4）は2〜7％であった．煩雑な前濃縮操作を必要としない本法を環境試料水中の微量ホウ素定量に応用し，十分な精度と正確さが得られた．
2009-09-05