無電解濃縮/吸着ストリッピングボルタンメトリーによる微量亜硝酸イオンの定量

概要

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酸性溶液中,ジアゾ化-カップリング反応に基づくアゾ化合物を固体電極上に吸着する nM レベルの亜硝酸イオンの示差パルスカソーディックストリッピングボルタンメトリーを開発した。0.4M 塩酸(pH 約 0.6)中,亜硝酸イオン溶液にスルファニルアミド溶液と 1-ナフチルアミン溶液を加えてアゾ化合物を生成させ,無電解(開回路)でアゾ化合物をグラファイト電極上に濃縮した.次いで 50mV/s の速度で 0.2 から-0.2 V vs. SCEまで電位を走査してボルタモグラムを記録し,ピーク高さから亜硝酸イオン濃度を求めた.-0.05 V vs. SCE 付近に良好な単一のピークが得られた.SN 比を向上させるため空試験値の原因について検討した.また,無電解前濃縮法の採用により,共存元素の妨害は大いに抑制され,選択性が向上した.亜硝酸イオンの検量線は 1.1〜217nMで直線となり,65nMでのRSD (n=5) は 1.1%,前濃縮時間 5 分間での検出限界は 0.15nM であった.取り扱いが容易な固体電極を用いた本法は,亜硝酸イオンの簡易な高感度定量法として極めて有用であり,市販塩酸試薬中の亜硝酸イオンの定量に適用して満足な結果を得た.
2002-12-05