肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法後に臍周囲の地図状の紅斑を認めた2例
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概要
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肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法(Lip-TACE)後の皮膚合併症は,肝円索に伴走する肝鎌状動脈が存在する症例において,報告例が散見されている.我々の経験した症例1はドキソルビシンを使用し動脈塞栓は施行未で,一過性の地図状の紅斑を認めた.症例2では,シスプラチンを使用し動脈塞栓を行ったLip-TACE1回目には同様に一過性の紅斑であったものの,4回目には疼痛・皮下硬結を伴う紅斑となり一部に表皮剥離を伴い,回復に1カ月を要した.同様の報告を表にまとめ,文献的考察を行った.これらの紅斑は,肝鎌状動脈を介してリピオドールおよび塞栓物質が流入したことに起因すると考えられた.肝S4付近の領域をLip-TACEする際には注意が必要であろう.
- 2009-07-25
著者
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沖本 智昭
山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系放射線医学
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沖本 智昭
県立広島病院放射線科
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村上 友則
県立広島病院放射線科
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山田 博康
県立広島病院 消化器内科
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北本 幹也
県立広島病院消化器内科
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林 亮平
県立広島病院消化器内科
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野田 育江
県立広島病院消化器内科
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今川 勝
県立広島病院消化器内科
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松本 陽子
県立広島病院内視鏡科
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田中 未央
県立広島病院内視鏡科
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隅岡 正昭
県立広島病院内視鏡科
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川上 未央
県立広島病院消化器内科
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永田 敬二
県立広島病院皮膚科
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山田 博康
広島県立広島病院 消化器内科
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林 亮平
県立広島病院内視鏡科
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隅岡 正昭
県立広島病院内科
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今川 勝
県立広島病院内科
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