親油性界面活性剤テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いた単分散W/Oエマルション混合系における荷電溶質の油相透過速度
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概要
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W/O/Wエマルションの内水相に封入した物質が, 油相を介して外水相に透過する挙動について速度論的な基礎的検討を行うため, 分散水相の浸透圧が同じで, 水滴径と溶質が異なる2種類の単分散W/Oエマルションを混合した乳化系により, 水相に含まれる無機塩や両性電解質の油相透過実験を行い, これらの物質移動速度を測定した. 無機陽イオンと正に荷電した両性電解質は油相を透過し, 水相間の濃度勾配を駆動力とする速度式にしたがった. 一方, 無機陰イオンと負に荷電した両性電解質の油相透過は認められなかった. 水相間の濃度勾配を駆動力とする速度式から求めた陽イオンの総括物質移動係数は, 油相に加えた乳化剤, テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル (TGCR) の濃度が2.0 wt%から15.0 wt%の範囲で, TGCRの濃度の増大に伴って上昇した. このため, 陽イオンはTGCRをキャリアーとして油相を透過すると推察された. また, 正に荷電した両性電解質の油相透過速度は分子量の増加に伴って低下した.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2004-07-20
著者
-
後藤 雅宏
九州大学大学院工学研究院
-
久木崎 雅人
宮崎県工業技術センター 材料開発部
-
清水 正高
宮崎県工業技術センター 材料開発部
-
中島 忠夫
宮崎県産業支援財団
-
後藤 雅宏
九州大学大学院工学研究院応用化学部門
-
Goto M
Kyushu Univ. Fukuoka
-
清水 正高
宮崎県工技セ
-
久木崎 雅人
宮城工技セ
-
後藤 雅宏
九州大学大学院工学研究科合成化学専攻博士課程
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