ショウジョウバエの複眼原基の部域特異性
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概要
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ショウジョウバエの複眼原基内には,成虫構造形成のための特異的な位置が決まっている。成虫構造のうち最も重要な複眼のパターン形成の位置については,Campos-Ortegaら(1976,1977),Readyら(1976),Lebovitzら(1986)は野生型について,Ushioda(1976a),潮田(1993)は放射性同位元素を用いて突然変異種のBarについて,さらにVenkateshら(1985)はモノクローナル抗体を用いて分子レベルで,何れも原基後半部に位置することがみとめられている。一方,成虫構造全般については,Ouweneel(1969,1970)が,Homoeotic mutantのloboid-ophthalmoptera(ld-opht)および野生型の成熟幼虫(孵化後95,6時間幼虫)の眼原基を切断し,成虫体内に移植して移植片の分化の様式から部域特異性の存在を確かめ,これに基づいて原基の器官形成地図を作成している。以上のように,これまで多くの研究者によって,原基の部域特異性の存在がみとめられているが,本実験では原基の発生に伴って,成虫構造形成の位置変化が見られることに注目し,所謂発生分化が未決定の原基と,決定された後の原基についての部域特異性の変化をしらべた。また,原基内で複眼形成のパターン形成がおきるが,その最初の情報はどこから伝達されるか。これについては分化中心の存在が確かめられている(Kaji and Ushioda, 1984)が,この問題についても論及する。
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