ショウジョウバエの頭部異常形質の触角・複眼原基
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概要
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キイロショウジョウバエ,Drosophila melanogasterの野生型のShioya, kirishimaおよびBochu系統のハエは,集団培養下で稀に複眼異常を伴った個体が生じる。これらの個体を対交配により毎代選抜を続けると,代を重ねるにつれて異常の程度が著しくなり無眼のハエが生じた。さらに,複眼異常が著しい個体では,触角異常を伴い,その異常の程度は,複眼の小眼数の減少と反比例することを見出した(潮田,1991)。このような触角・複眼異常を伴った個体は,突然変異種のNotch-deformedで低温処理によってその表現が著しくなること(Hillman, 1961),また,spineless-aristapediaという温度感受性のHomeotic mutant(異形化突然変異体)で触角の重複にともない複眼の大きさが減少することが報告されている。(Shubinger and Alpert, 1975)。本研究では,野生型のShioya系統を用い選抜によって,複眼の大きさが減少し,それに伴って触角の重複の程度が増大するという逆の関係を明らかにするため,選抜の過程での幼虫末期(成熟幼虫)の触角・複眼原基をとり出し,その構造,とくに,両原基内のパターンを調べることにより,触角・複眼形成の関係について考察を行なった。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文
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