菌状息肉症における病期診断―特に画像診断の意義について―
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概要
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菌状息肉症患者31例を,皮膚臨床像,皮膚病理組織所見に基づいて分類し,病期診断のための各種画像診断の妥当性および必要性について検討した.皮膚病理組織所見に関してはリンパ腫細胞の浸潤の深さに注目し、その深達度と前期診断との関連についても検討した.31例の皮膚臨床像は,紅斑期2例,局面期18例,腫瘍期11例であった.これらの症例に対して,臨床的リンパ節腫大の有無、リンパ節および内臓の各種画像診断(CTスキャン,骨シンチグラム,Gaシンチグラム,エコーグラム)所見,皮膚外浸潤の病理組織所見および予後について検討した.その結果、臨床的に紅斑期,局面期,および皮膚病理組織で浸潤が真皮内にとどまる症例においては20例中8例に画像診断上陽性所見が得られたものの,組織学的に皮膚外浸潤は陰性で,全例が生存,病期の進展がないことから、画像所見はリンパ腫細胞の浸潤を示してはいないと考えた。一方,腫瘍期症例では11例中7例に画像診断陽性例があり,組織学的皮膚外浸潤は4例で陽性(+剖検時1例),4例で死亡の転帰をとっており,画像検査は病期診断上,皮膚外浸潤の検常に欠かせない手段であり,その中ではCTが最も有用であった.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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