介護予防の複合プログラムの効果を特徴づける評価項目の検討:-口腔機能向上プログラムの評価項目について-
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概要
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われわれは平成22年度老人保健健康増進等事業「予防給付及び介護給付における口腔機能向上サービスの推進に関する総合的研究事業」において, 口腔機能向上のプログラムに運動器の機能向上, 栄養改善の各プログラムを組み合わせ提供した。そして各プログラムの効果への影響を検証したところ, 複合プログラムは単独プログラムに比べて, 要介護度の軽度化の割合が高く, 転倒骨折, 誤嚥性肺炎等の要介護状態となるリスクを低減し, 介護予防効果が高いことが示唆された。<BR>そこで複合プログラム提供時の口腔機能向上のアセスメント項目を集約し, サービス提供事業所の業務の効率化を図る目的で, 単独プログラムと複合プログラムに共通する特徴的な評価項目を仮説発見型の情報解析手法によって検討した。<BR>結果, 咬合圧とオーラルディアドコキネシスの/ta/の1秒間の回数, およびRSSTの積算時間の1回目, 口腔に関する基本チェックリストと口腔関連QOL尺度が共通した評価項目として検証された。以上の結果から, 口腔機能向上プログラムの実施に際しては, これらのアセスメント項目を用いることで複合プログラムの効果を効率よく抽出可能であることが示唆された。またこれにより看護師等専門職の負担が軽減し, 効果の高い複合プログラムの普及が期待される。
- 一般社団法人 日本老年歯科医学会の論文
著者
-
野原 幹司
大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部
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植田 耕一郎
日本大学歯学部 摂食機能療法学講座
-
吉田 光由
広島市総合リハビリテーションセンター
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福泉 隆喜
九州歯科大学口腔微生物学講座
-
片倉 朗
東京歯科大学 口腔健康臨床科学講座口腔外科学分野
-
飯田 良平
鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座
-
外木 守雄
東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座
-
渡邊 裕
東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座
-
北原 稔
神奈川県厚木保健所
-
菊谷 武
日本歯科大学
-
平野 浩彦
東京都健康長寿医療センター (旧東京都老人医療センター)
-
枝広 あや子
東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座
-
田中 弥生
駒沢女子大学 人間健康学部健康栄養学科
-
伊藤 加代子
新潟大学医歯学総合病院加齢歯科診療室
-
大渕 修一
東京都健康長寿医療センター
-
渡部 芳彦
東北福祉大学
-
山根 源之
東京歯科大学
-
那須 郁夫
日本大学松戸歯学部
-
柏崎 晴彦
北海道大学医学部癌研細胞制御
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武井 典子
社団法人日本歯科衛生士会
-
岩佐 康行
特定医療法人原土井病院歯科
-
斎藤 京子
東京都健康長寿医療センター研究所
-
戸原 玄
日本大学歯学部 摂食機能療法学講座
-
Ohara Satoko
神奈川県厚木保健福祉事務所
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