スピーチエイドによる鼻咽腔閉鎖機能賦活効果の生理学的背景 : 健常者での軟口蓋挙上に伴う口蓋帆挙筋活動領域の変化
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概要
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スピーチエイドの装着により, 発音時の口蓋帆挙筋活動が最大筋活動の40%以下になり, 鼻咽腔閉鎖機能の予備能が大きくなる現象が鼻咽腔の物理的狭小化による結果であるかについて健常者を対象に検討した.被験者ごとに作成したPLP (Palatal Lift Prosthesis: 軟口蓋上装置) を用い, 非装着時・装着時における最強blowing活動および発音活動での口蓋帆挙筋活動を調べ, 筋活動領域についてANOVAにより検討した.その結果, 健常者においてもPLP装着時には, 装着時・非装着時を通じて得られた最大筋活動を上限として決定される筋活動範囲の低い領域に筋活動領域が移行し, 鼻咽腔閉鎖不全症例におけるスピーチエイドによる予備能の増大は, 鼻咽腔の物理的狭小化に伴う非特異的現象であることが明らかとなった.すなわち, スピーチエイドの鼻咽腔閉鎖機能の賦活効果の生理学的背景に, 鼻咽腔の物理的狭小化による必要運動量の減少が関与することが示唆された.
- 日本音声言語医学会の論文
- 1999-04-20
著者
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舘村 卓
大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部
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舘村 卓
大阪大学歯学部附属病院 口腔総合診療
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野原 幹司
大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部
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和田 健
大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部
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藤田 義典
大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部
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藤田 義典
大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部
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和田 健
大阪大学歯学部付属病院顎口腔機能治療部
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和田 健
大阪大学歯学部口腔外科学第1教室
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