光硬化によるエポキシ/アクリルIPNsの合成と物性
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概要
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光硬化によりエポキシ/アクリルIPNsを合成した。エポキシドとしてエピコート828 (E-828), アクリレートとしてE-828のジアクリレートを用いた。光硬化剤はビス- [4- (ジフェニルスルポニオ) フェニル] スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェイトを用いた。IPNsの硬化挙動は, 示差走査熱量測定により分析した。エポキシド, アクリレート単独の硬化反応における硬化発熱ピークは, 空気中で各々51, 36秒とその硬化速度はあまり差がないが, IPNs組成物の硬化反応では二つの硬化発熱ピークが明確に分離した。たとえば, エポキシ/アクリル=80/20重量比の組成物の硬化反応では, 30,180秒と二つの硬化発熱ピークがあらわれた。二つのピークの中間部における硬化物の赤外線吸収スペクトルによる分析から, 第1の硬化発熱ピークはアクリレートの重合, 第2のピークはエポキシドの重合によることを明らかにした。このことは, より早く重合して生成したアクリレートの三次元網目がエポキシドの重合を阻害することを示している。合成した各種組成のエポキシ/アクリルIPNsは, 動的熱機械分析, 走査型電子顕微鏡による観察を行い, エポキシ/アクリル=80/20重量比のIPNsは相溶性が良好であるが, 50/50重量比のIPNsではやや相溶性が良くないことを認めた。また, IPNsの機械的性質は引張試験によって測定した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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