剛直な骨格を有する新規エポキシ樹脂の合成と硬化
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概要
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4, 4'-ビフェニレン基, 2, 6-ナフチレン基を主鎖に有する新しいエポキシ樹脂, 4, 4'-ビス {2- [4- (2, 3-エポキシプロポキシ) フェニル] -2-プロピル} ビフェニル (エポキシ樹脂1と略), 4, 4'-ビス {2- [3, 5-ジメチル-4- (2, 3-エポキシプロポキシ) フェニル] -2-フ。ロピル} ビフェニル (エポキシ樹脂IIと略) および2, 6-ビス {2- [3, 5-ジメチル-4- (2, 3-エポキシプロポキシ) フェニル] -2-プロピル} ナフタレン (エポキシ樹脂IIIと略) を合成した。4, 4'-ビフェニルジカルボン酸ジメチルエステルおよび2, 6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを出発原料とし, グリニャ反応によりビスアルコール化し, フェノール類との反応でビスフェノール化した。これらのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの相間移動反応によりエピクロロヒドリン付加体を合成し, 低温でアルカリにより閉環させてエポキシ樹脂を合成した。p, p'-ジアミノジフェニルスルホンを硬化剤として, 示差走査熱量計により硬化反応性を検討すると, エポキシ樹脂Iの反応性は, ビスフェノールAジグリシジルエーテル (DGEBA) と同程度であり, エポキシ樹脂IIおよびIIIはやや反応性が低下した。エポキシ樹脂I, IIおよびIII単独硬化物のガラス転移温度 (T<SUB>g</SUB>) は, それぞれ155,191,188℃であった。DGEBA/エポキシ樹脂 (1 : 1, 重量比) 混合硬化物の曲げ特性および破壊靱性値はDGEBA単独硬化物と同程度であり, T<SUB>g</SUB>はエポキシ樹脂I混合硬化系で低下し, エポキシ樹脂II, III硬化系で同程度であった。硬化物の吸水率はいずれの系もDGEBA単独硬化物に比して低下した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
-
友井 正男
横浜国立大学
-
飯島 孝雄
横浜国立大学 大学院 工学研究院
-
相川 登志夫
横浜国立大学工学部物質工学科
-
福田 和吉
横浜国立大学工学部物質工学科
-
福田 和吉
横浜国立大学工学部・物質工学科
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