ビタミンＢ１最小必要量飼料投与ラットあるいは十分量飼料投与ラットを寒冷曝露させた時の肝臓， 血液および尿中のビタミンＢ１量
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概要
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低温環境下ではエネルギー代謝の亢進が起こることが知られている。そこで本研究では, 低温環境下においてビタミンB<SUB>1</SUB>の要求量がどの程度高まるかを調べた。まず最初にラットを低温環境下で14日間飼育すると, 飼料摂取量は1.1倍に増加したが, 体重増加量は0.6倍程度であった。したがって, 寒冷曝露により1.7倍のエネルギー代謝の亢進が認められた。同時に, 14日間の寒冷曝露により, 褐色脂肪組織 (BAT) が増加し, 尿中のビタミンB<SUB>1</SUB>排泄量は約1/2にまで抑制された。これらの事実によって, 低温環境がエネルギー代謝の亢進をもたらし, ビタミンB<SUB>1</SUB>必要量が増加したことが示唆された。さらにこのことを確認するために, ビタミンB<SUB>1</SUB>を最小必要量加えた飼料をラットに投与して寒冷曝露し, ビタミンB<SUB>1</SUB>欠乏が引き起こされるか否かを調べたが, ビタミンB<SUB>1</SUB>を十分量投与した群と比べて顕著な体重増加量の低下は認められなかったが, ビタミンB<SUB>1</SUB>の尿中排泄量が低下したことから, 寒冷曝露によってビタミンB<SUB>1</SUB>の必要量が高まったと考えられる。
- 公益社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
-
柴田 克己
滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科
-
佐野 光枝
滋賀県立大・人文・生活栄養
-
柴田 克己
滋賀県立大
-
佐野 光枝
滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科
-
福渡 努
滋賀県立大学
-
坂崎 愛
滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科
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