三次元応力疲労における構造変化の速度過程に関する研究

概要

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カーボンブラック複合加硫物の三次元応力疲労における層状異方性構造の形成過程について, Eyring の速度過程理論を適用し, 層状異方性構造の大きさに対応する破壊表面エネルギ比(Γrad/Γlat)tは次式で近似され, 時間に対し破壊表面エネルギ比は処女状態の1から最終状態のβ∞に収斂する関数で表現されることを導いた.(Γrad/Γlat)t=β∞-(β∞-1)×exp[-exp{-U(σx)/kT}•t]U(σx)=U0-α•(σx)n, n≈2ここに, β∞は最終状態の破壊表面エネルギ比, σXは最大引張主応力, U0はσX=0における活性化エネルギ, α, n は定数, kはボルツマン定数, Tは絶対温度.また, 表面に微視的クラックが観測される時の限界破壊表面エネルギ比と負荷最大引張主応力との間には,(Γrad/Γlat)tc•(σx)m=Cの関係が成立し, 負荷応力が大きいほど限界破壊表面エネルギ比は小さく, クラック発生時の層状構造の形成及び力学特性, 破壊特性に関する物性値の変化は少ないことが明らかになった. ここに, tcは表面に微視的クラックが発生する時間, m, cは定数である.
社団法人日本ゴム協会の論文