カーボンブラック複合SBR加硫物の体積弾性率緩和現象に関する研究

概要

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粒子複合ゴムの基本力学量 (弾性率, 体積弾性率, ボアソン比) の動的過程を検討するため, カーボンブラック複合量の異なる (HAF: 容積分率Vf=0.0〜0.289)SBR加硫物に体積ひずみを与えたときの圧力 (又は体積弾性率) の緩和現象について検討した.その結果, (1) 圧力及びその緩和は, 体積ひずみに対し線形関係にあり, 体積弾性率は, 各構造要素の体積弾性率の直列モデルで表現できる. (2) 体積弾性率の緩和現象に一般化マックスウェルモデルを適用し, 体積弾性緩和時間分布関数は正規分布で近似できるとし, 定体積ひずみを与えたときの圧力の緩和について次の近似式を導いた.P(Vf,t)=[K0(Vf)-κ0(Vf)/√<2π>σ(Vf)∫logt-∞exp{-logτ-(logτm)2/2σ2}dlogτ]εvここにP(Vf,t)は圧力, K0(Vf)は初期体積弾性率, εvは体積ひずみを示す. また, 上式での緩和量 (あるいは規格化中央値) κ0(Vf), 標準偏差σ(Vf), 緩和時間中央値τmの基本量は, 粒子容積分率 (又はA相容積分率) に対して線形関数で近似される.更に圧縮過程での体積弾性率の緩和は, 主として運動性に富むA相部ゴム分子鎖の自由体積の分布形態及びその量に起因するものと推論した.