塑性要素量の異なるNR, IR, SBR系複合ゴムの三次元応力疲労に関する研究(II)

概要

論文の詳細を見る
ポリマーの規則性構造, 分子鎖運動性及び物理結合量の異なるNR, 改質IR, 溶液重合SBR,改質SBRのカーボンブラック複合加硫物の三次元応力疲労による層状構造形成の異なるものについて, 疲労破壊形態, 破壊伝ば方向と層状構造形成との関連性, 引裂強さ, 繰り返し伸張によるノッチ先端部のクラック発生抵抗, クラック進行方向と層状構造形成との関連性について検討し, NR系では層状構造形成が大きく, 破壊は層状はく離破壊現象を示すが, 層状構造形成が遅れる改質IR系及び層状構造形成のないSBR系, 改質SBR系は層状はく離破壊現象を示さず, 破壊クラックは引張り主応力方向に対し直角方向に進む. また, 引裂強さ, ノッチ先端部のクラック発生抵抗, クラック進行方向は層状構造の異方性の大きさ破壊表面エネルギー比と良い対応性を示すことを明らかにした. 更に, 構造,物性の異なるカーボンブラック複合系の層状構造形成の数理モデルより物理結合量がその活性化エネルギーに与える効果を明らかにした.