肉の自己分解に関する化学的研究 : (第9報)肉の熟成中蛋白質と色素イオンとの結合について
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概要
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平衡透析法を用いて肉の熟成中アクチン,アクトミオシンと色素イオンとの結合変化を測定し,次のことが判った. (1) アクトミオシン-Sの結合力はアクトミオシン-Lのそれより大きい. (2) アクトミオシンの色素イオンとの結合力は多くの球状蛋白質と異り,メチレン青との結合の方がメチルオレンジより大きい. (3) アクトミオシン-Sの色素結合は肉の熟成2日で最大となる.特にカチオン色素であるメチレン青との結合において著しい.この変化と肉の水和度との関係を考察した. (4) 肉の熟成中アクトミオシン-L及びアクチンはメチレン青との結合力が減少する. (5) 肉の種類によってアクトミオシンと色素イオンとの結合量が異る傾向がみられた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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