牛乳蛋白質の有効性リシンの加熱による変化並びに各種乳製品の有効性リシン含量の比較
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概要
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リシン-乳糖混合溶液,カゼイン-乳糖混合溶液及び脱脂乳について各種加熱条件によるリシンの不活性化を測定した.その結果リシンの不活性化は80°, 10分以下の加熱では殆んど認められないが, 100°, 30分以上では10〜20%の不活性化が認められた. 120°, 30分以上では純粋のカゼイン溶液及び透析乳でもかなりリシン不活性化が起るが,いずれの温度でも乳糖が共存すると不活性化が顕著であった. 次に酵素消化試験法及びDNP法により各種練粉乳中のリシン有効比を比較した.調製粉乳のリシン有効比は未加熱乳を100とすると両法ともに80〜100の範囲であった.また貯蔵中におけるその変化は認められなかった. DNP法による有効性リシン含量は市乳,全脂及び加粉乳では未加熱乳よりやや高い値を示し,無糖練乳ではやや低い値を示した.
著者
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