東洋型チーズ製造に伴う各種処理時の脂肪酸組成および窒素化合物
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概要
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中国内蒙古およびネパール産チーズ製造時の脱脂処理および天日乾燥工程が,脂肪酸組成および窒素化合物に与える影響をガスクロマトグラフィーおよびポリアクリルアミド電気泳動法により,二,三の試供品および西洋型チーズと比較検討した. ホロート,ジョヒ,チュルピーでは西洋型チーズに比し脂肪含有量(1.08〜7.31%)は少なく,東洋型チーズの脂肪酸組成上の特徴は,パルミチン酸,ステアリン酸が多く,オレイン酸が少ない.西洋型チーズではステアリン酸とオレイン酸の比が約1:3で,東洋型では約1:1である. 東洋型チーズ製造時の天日乾燥工程による脂肪酸組成上の変化は少なく,過酸化物価の増加はほとんど認められなかった. 各種チーズの天日乾燥後の電気泳動分析では,構成蛋白成分はほとんど熱変性などの影響を受けず,優れた乾燥方法であることが示された. 東洋型チーズの電気泳動図からは,ホロートおよびチュルピーは主として牛乳,ジョヒおよびウルムではヤギや馬乳を原材料に用いていることが示され,また,それらのカゼインバンドは酵素的加水分解を受けておらず, NPN量も低かった. 東洋型チーズ工程にトリプシン消化を導入した場合,カゼイン成分は低分子化し,次の乳酸発酵後とともに呈味性や栄養性の向上が示唆され,ホエー排出によっても蛋白成分の損失はほとんどなく,全蛋白質が有効利用さ
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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