人工消化脱脂乳の乳酸発酵により生成する各種窒素化合物の挙動
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概要
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トリプシンおよびペプシンによって脱脂乳の蛋白質を分解して得られた消化液にStr. lactis, L. bulgaricusをそれぞれ単独に接種培養し,それらの毅酸発酵により生ずる変化を経時的に調べて比較し,また同液にSacch. sakeを接種培養して,その生育状況をも調べた. 1. 種々の程度にトリプシン,ペプシンにより消化した脱脂乳液を培地として, Str. lactisを培養した場合,培地中のアミノ態窒素含量は,培地の分解程度のちがいにより異なった変化を示した.トリプシン分解培地では, 80%アルコール可溶全窒素が増加した. 2. トリプシンおよびペプシンにより脱脂乳を消化するとき生ずる苦味を除去する作用は, Str. lactisの方がL. bulgaricusより強力である.脱脂乳のトリプシン,ペプシンによる分解物質はStr. lactis, L. bulgaricusおよびSacch. sakeの生育を阻害しない. 3. 脱脂乳のトリプシンあるいはペプシンにより得られる分解液を培地として, L. bulgaricusを培養した溶液中のアミノ態窒素含量は,除蛋白の際, TCA処理を行なった場合と遠心分離10,000rpmによって処理した場合とでは,測定値に差を生じた. 以上のごとく本実験に用いた乳酸菌の2菌株には,乳酸発酵における窒素化合物の代謝活性に差があることが示唆された.
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