乳酒製造時の可溶性チオール (SH) およびジスルフィド (SS) 含量に関する研究
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概要
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日本酒型乳酒製造時の最初の工程である酵素消化と乳酸発酵段階,および次の工程であるアルコール発酵段階におけるpH,滴定酸度,非蛋白態窒素,エタノール含量の変動を検討するとともに,低分子非蛋白態SH, SS化合物を蛍光法で定量した.同様に乳酸発酵とアルコール発酵を同時に行うケフィア型乳酒に関しても分析を行った. 低分子および蛋白質の消化物に由来すると考えられるSHおよびSS化合物の経時的変化が認められ,その含量は各過程において非常に微量であった.測定値は酵素消化,乳酸発酵段階においては全SS含量が40μM以下, SH含量が18μM以下,アルコール発酵後の日本酒型乳酒においては全SS含量が83μM以下, SH含量が40μM以下,ケフィア型乳酒においては全SS含量が13μM以下, SH含量が5μM以下であった.全SH:SSの比率は日本酒型乳酒の乳酸発酵段階では約1:2で,アルコール発酵段階では約1:2を示し,ケフィア型乳酒においては約1:3の割合で経時的に漸増した.また可溶性非蛋白態SSは消化酵素および使用菌種の産生するプロテアーゼの作用に伴って経時的に増加することが示唆された. HPLCにより,システインおよびグルタチオンと同一の保持時間を有するSH化合物が認められ,その含量は発酵に用いる菌種の差異,発酵時間および人工的酵素消化の有無等によって変動することが確認された.
著者
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松本 憲一
東北福祉大
-
畠山 英子
東北福祉大学
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鈴木 建夫
東北大学農学部
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目黒 熙
東北大学農学部
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越智 猛夫
東北福祉大学
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鈴木 建夫
東北大学農学部食品分析学教室
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目黒 熙
東北大学農学部食品分析学教室
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