走査型電子顕微鏡による各種チーズ製品の組織構造の比較
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概要
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中国内蒙古(ホロート,ジョヒ,ウルム),ネパール(チュルピー,ギー)における伝統的乳製品およびこれらを検討するために試供品を調製した.これらの成分組成および組織構造を走査型電子顕微鏡により観察し,あわせて西洋型チーズと比較した. ホロート,ジョヒは60.34〜65.31%がたん白質であり,ウルムは全体の約50%が脂質,約20%がたん白質であった.チュルピーは約80%がたん白質からなり,ギーはバターと類似の組成であった. 各種チーズを走査型電子顕微鏡で観察したところ,各種チーズの組織上の差異が確認された.その差異は脂肪含有量と深く関係する.概してオリエンタルチーズでは線条構造が見られない.オリエンタルチーズは脂肪含量が少なくたん白質が多い.線条構造が見られるのは脂肪とたん白質の割合が1:1付近のものである.ヨーロッパ型チーズは脂肪とたん白質が約1:1のものが多い. チーズの組織はチーズ製造時の水分蒸発および蒸発工程の差異によって変化する.また脱脂粉乳の球状形態は,吸湿,水分除去の処理を加えることによって消失する.またカゼイン,乳糖およびカゼインと乳糖の混合物でも,脱脂粉乳の場合と同様の現象が見られた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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