ツノナシオキアミ塩辛の香気成分 ―熟成および加熱による香気成分の変化―
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概要
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ツノナシオキアミとその塩辛の熟成過程における香気成分の変化と加熱による香気成分の変化をGCおよびGC-MS法によって調べた.まず熟成中の香気成分の変化を見るため減圧蒸留法で内部標準を用い,原料と塩辛の香気成分について同定と定量を行った.その結果, 28種類の化合物を同定したが,原料の主成分はbutanolとN, N-dimethyl-2-phenylethylamineで,それらは塩辛熟成中に減少した.一方,加熱による変化を見るため連続蒸留抽出法によって得た匂い濃縮物の成分について同定と定量を行った.その結果, 34種類の化合物を同定した.原料の加熱臭の主成分はN,N-dimethyl-2-phenylethylamineであったが塩辛熟成中に顕著に減少した.それに反して, pyrazine類とfurfuryl alcoholが増加し,生臭い匂いをマスキングすることから官能的にもかなり好ましい匂いに変化した.しかしながらツノナシオキアミの塩辛熟成後も原料の特異臭が少量残るため改良の余地があると思われる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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